現在ではバスで優雅に苦労なくアクセスできる上高地。道路が整備されるはるか以前、昔の人々はどのようにこの楽園に至ったのか。文豪芥川龍之介も歩いた古道・島々谷を辿ってきました。
7月19日 島々~二股~岩魚留小屋~徳本(とくごう)峠小屋
7月20日 徳本峠小屋~大滝槍見台~徳本峠小屋~上高地
島々からスタート。『こっちでええんやろか』『せやな』
『上高地へ 20キロ』の容赦無い宣告に若干の尻込みを覚えつつ歩き出す。
歩き出しの標高は低く、気温が高いため既に汗だく。
二股辺りまでしばらくは砂利の林道が続く。
様々な動物達。都会のものより大きくイキイキしているようにみえる。単に種類の違いかな?
二股で休憩。なんか踊ってる人がいるな。
緑のルートです。
二股から先はトレイルらしくなる。ここから最高に気持ちいい。全体通して整備されているが地崩れや倒木が散見されたので注意。
炭焼窯跡。60年以上前のものが手入れもなく原型を留めてるのはすごいね。
穏やかではない。((((;゚Д゚))))
岩魚留小屋で休憩。6年ほど前に地震で通行止めとなったのがきっかけとなり、現在に至るまで営業はしていない。今後の再開も難しいだろうとのこと。テント場も草が伸び放題で、利用にはかなりの虫対策が必要となるだろう。小屋内に熊が侵入した形跡もあるとの話もあり、あまりオススメはできない。ちなみに小屋の名前は、この先の流れが滝になっており岩魚が遡るのが難しくなっていることからつけられたもの。
いい雰囲気なのにもったいないね。
小一時間くらい釣りを楽しむ。先輩方はそれぞれに釣果をあげたが、自分はボウズのまま終わってしまった。教えてもらいながら竿を振るうだけでも十分に楽しかったが、やはり『釣り』をしたというからには、きちんと『釣り』あげてみたいものである。ざんねん。
ネガカリを取ろうとして落ちそうになり木にしがみつく津田氏。
徳本峠が近づくにつれ段々と渓流から離れ、スイッチバックのキツイ登り坂に。ふくらはぎがつりそうになるも頑張ってモリモリ登る。
徳本峠小屋に到着。雰囲気の良いかわいい小屋ですね。
よく歩いたもんだ~。
穂高と槍が見える最高のロケーション。
日暮れ前にテントを張るべや~。
最近の自分テーマは『余計なものを持って行こう』。特にテン泊山行では重量にシビアになりがちですが、ミニマルなスタイルに徹するだけでは『軽いギア』だけになってしまい『面白いギア』に目が向けられなくなってしまいますよね。それはちょっと寂しいかなぁと思い、新旧色々なギアをプラスワンするよう心がけています。今回はサーマレストのチェアキット(旧モデル)。マットレスを差し込むとクレイジークリークスタイルのグラウンドチェアに早変わりします。ふんぞり返って飲むビールは『最高』の一言。テン場で座って過ごす時間はほんの2~3時間程度のものでしたが、腰痛持ちの自分にとっては重量増に見合う十分なバリューでした。
晩飯はレトルトの本格インドカレーとナンです。カレーを凍らせて保冷剤代わりにしてビールとナンを持ってきました。ナンはバーナーで炙りながら食うとさくさくでおいしいのです。
小屋番さん達とトークしながらもう一杯。おやすみなさい。
4時頃起床。前の晩にハムステーキを焼いたコッフェルで、若干油の浮いたコーヒーを飲む。細かいことは気にしないのだ。
霞沢岳に行く予定でしたが時間や体力を考慮して蝶ヶ岳方向に進み、槍見台を目指すことに。
木々の間から差し込む光がなんとも神秘的。
しろいほうはギンリョウソウ。ちゃいろいほうは・・・なんだっけ。
2時間歩いて、大滝槍見台に到着。眺めは最高。
一時間くらいのんびりした後テン場へ戻る。小屋番さんに小屋の中を見学させてもらう。大正12年に出来た登録有形文化財らしい。
テントを撤収して上高地に降りようと準備をすすめるも、虫たちの引き止めにあう。ちょいとどいとくれ。
その靴は君にはちょっとおおきいんじゃないかな。
下りはじめてすぐの冷たい湧き水で顔を洗い喉を潤す。最高だね。
明神岳がでかい。
岩魚定食はUMAIZO!観光地価格だがUMAIZO!
バス停に向けて木道をてくてく。
やっぱ上高地は気持ちいいね。いい絵がいっぱい。
お馴染みの河童橋も、徒歩でここまで来たという達成感からか、いつもと少し違って見える。気がする。気のせいか。
バスの時刻が予定より一本早いのに間に合いそうだったため慌ただしく乗車。ばいばい上高地。おつかれさまでした!