スタッフFです。土曜日の設営会にお越しくださった皆様ありがとうございました。忌憚のないフィードバックが沢山得られました。この記事では当日の設営で検証した要素をそれぞれ振り返っていこうと思います。

・テント本体orフライシートそれぞれでの単体運用の可否と具合

結論としては何れも調子良く運用できます。

・テント本体のみでの運用 バスタブを除き上部構造全てがメッシュ地になっているので蚊帳として活用できます。製品仕様としては想定されていないのでガイラインの取り付け位置はアドリブになりますが、メインポール及びサブポールを支点に二方向へ展開すれば立ち上げ自体は問題なく、適宜ガイラインを張れば実用的に自立状態を維持できます。

・フライ単体での運用 基本的な設営の感じはダブルウォールでの運用と同じですが、ポールの接点がフライに直で触れるというのが少々気を遣ってあげたい要素です。サブポールはガイラインの張り具合を調整すれば省けそうです。個人的な比較対象として、これまでメインで使用してきたステラリッジのファストピッチ運用が約1130g(実測)なのに対し、この構成は後述の兼用物を諸々含めた重量で940g(実測)となります。このうち設営に使うトレッキングポール(片方約215g)はハイキング中の積載荷重には含まれないので心持ちも幾分軽くなるというものです。自立式・非自立式では求められる要素が違うというのは前提になりますが、内部空間の広さを始めとした居住性は同等程度の見積りですので十分代替し得る性能です。また付属品の予備やスタッフサックを状況に合わせて省けば更に削れますし、バイクパッキングなどではトレポの必然性が無いので、メインポールを後述の専用品に入れ替え、より重量・体積を詰めた状態で運用してみたいと考えています。

・他社製品とのマッチング

前述の項目で少し触れましたが、普段自分がメインで使っているテントは「モンベル ステラリッジ2型」で、周辺パーツは極力兼用したいというのが本音ですので、それを前提に試してみました。下記の内容はダブルウォールで設営し試したものになります。

・フットプリント 対応する「モンベル グラウンドシート ドーム2」のサイズは約202×122cmです。対してテント本体が200×80cm(最大箇所)と、兼ねフットプリントが余る形になりますが、テントが梯形の組み合わせなので短辺側(奥行き)の飛び出しが複数箇所あります。テント本体底面の保護としては充分ですが、降水が想定される場合などは露出しないように気遣ってあげる必要があります。また位置関係にもよりますが、シートの短辺の長さ的に前室部分もカバーできるのでメインポールがその上に突き刺さるのが許容出来るかというのも注意点です。(ポールはテント本体のグロメットに固定するので先ゴムを外す形になります) ちなみに「モンベル グラウンドシート ドーム1」はサイズが約82×202cmでしたので、市販品のフットプリントの場合は1型相当が無難に使えそうです。

・ペグ 使用するのは「モンベル アルミVペグ 16」ですが、基本的にガイラインを引くだけなので形状等に制約は無く、一般的な製品であればどんなものでも使用できますし、山岳テント用の物が重量面でもバランスが良いかと思います。別売にはなりますが、このテントに合わせて「DAC社製ジュラルミンペグ」もご用意していますので、必要に応じてお求めくださいませ。

・ポール(番外編) 設営の要であるポールのチョイスで重要なことは二つ。一つ目は剛性感。ガイラインの引き具合、転じてテントの設営クオリティに影響します。登山時はトレッキングポールを流用するので、そのレベルであれば全く問題ありません。二つ目は長さ。具体的には125cmあると弛みなく設営できる印象です。こちらも伸縮可能な仕様の一般的なトレッキングポールで最大長が対応していれば問題ありません。これらを踏まえ、個人的な探究心で「SIX MOON DESIGNS SMD-CTP124」を導入してみました。モノポールテント向けのカーボン製ポールで、削ぎ落とした思想の製品です。かなり撓むのが仕様ではあるものの、この手の製品は扱いが不慣れで若干気を遣います。全長が124cmと許容範囲ですが、先端の細さなども相まって少し緩い印象を受けました。(頂点側のポールを固定する部分は被せ式でトレポのグリップなどがピッタリ嵌まるようになっています)

今回検証したのは以上の三点です。流用したかった私物は兼ね使えそうですが、フットプリントに関してはより具合の良さげなものを改めて調達しそうな予感がします。罪深いですね…

この文章は営業の合間に書き進めているのですが、来店される方でもテントにご興味を持って頂く事がとても多いです。突っ込んだ内容もしばしば頂くのですが、ご返答が実践の伴わないものになってしまうのが心苦しいです。組み合わせによってかなり幅広い運用が出来そうなポテンシャルがあるので、自分の場合は山歩き、自転車、時々キャンプと今シーズン積極的に使っていき、より具体的な使用感を得たいと考えています。引き続きよろしくお願いします!