こんにちは、スタッフFです。

先週の定休日を利用して八ヶ岳を歩いてきました。今回は自分と店長、そして春頃の募集で入社してくれたO君の三人構成、一人増えるだけでも新鮮です。ところで、7月中旬に赤岳をメインにしたデイハイクでは、直前に出掛けた猛暑下でのサイクリングが後を引き、ろくに歩けず敗走したばかりだったので個人的にはリベンジでもありました。

赤岳山荘の駐車場をスタートし北沢を進みます。赤岳鉱泉で早速の大休憩、前回訪れた際に軽食提供があることを知ったのでそれが目当てです。モツ煮と迷ってカレーに、しかもアイスクリームまである!?となれば迷わずフルコースでいただきましょう。まだまだ行動開始から2時間弱でご褒美感は薄いですが、これを見据えて朝食を調整してきたのでお腹は正直です。それにしても標高2000m↑の環境で、これだけ充実したインフラの恩恵を受けられるのは不思議な気分です。

そして再スタート、前半日の最高所である赤岩の頭を目指して標高を上げていきます。稜線上(山頂?)は森林限界の少し上、視界が広がり目前の硫黄岳から南八ッの鋭い稜線、主峰たる赤岳が聳える様にまだまだ夏を思わせる濃い雲が掛かり迫力のある光景を望みました。

赤岩の頭から今回の幕営地であるオーレン小屋までは降り基調です。林間部から突然小屋前に辿り着く感じが探検のようでした。タルチョのような旗の装飾が素敵ですね。行動時間も短く午後イチの到着なのでお気楽に荷解きと設営を進めていきます。自分と店長は”Forest Limit I”の使用回数を着実に積んでいます。

さて少し早いですが宴を始めちゃいましょう。またも小屋で調達したアイスクリームからスタートです。お菓子をつまんだりソーセージを焼いたりと、時間に余裕があるのでじっくり腹に貯めていきます。メインのアルファ米を食べて、更には温かいお茶まで淹れたりして存分に堪能しました。翌日は天候の崩れを見越して早朝からの行動だったので日没後早々に就寝です。

ひと眠りした後の深夜、月の明るさが気になって外に出ると心地良い夜空が。冷え込みは弱く無風気味、フライ内は結露しポップアップ蚊帳の中は少々息苦しさを感じるほどだったのでそれぞれ撤収させて、カウボーイスタイルで星空を眺めながらウトウトして起床時間まで過ごしました。寒くないけど虫も居ない、なんて場面は稀なのでいい経験になりました。

後半日は薄暗い時間から行動開始です。まずは夏沢峠までじっくり身体を温めながら歩いていきます。峠への到着は日の出直後で遠くに朝焼けの気配がありますが雲多め、昼頃からの天候悪化を予感させる空模様です。

続いて硫黄岳、平らで広い山頂と隣り合う切り立った山体崩壊部分のコントラストが特徴的ですね。この辺りでは八ヶ岳が火山性の地質であることがよく伝わってきます。横岳方面に向けて硫黄岳山荘の前後一瞬だけは心地良い高原散歩です。山荘付近は高原植物の群生地帯でもあるらしく、植物観察にフォーカスして訪れるのもアリですね。

登り返し直後からは前日に遠くから眺めていた稜線のトゲトゲ部分に入っていきます。緊張感のあるエリアですが行動時間に余裕がありますし、エスケープルートもあるので焦らず歩いていきます。ちなみにO君は充実装備を忍ばせた90Lクラスのバッグを背負ったまま、涼しい顔でヒョイヒョイと歩いていきます。登山の頻度も比ではなく歩き込んでおり、足運びなどの技術面や体力的にも余裕を感じさせます。下山後試しに背負せてもらったのですが何とか担ぎ上げられる程度で、常に前屈みでないと立って居られず一緒に歩いた時の軽快さが全く信じられませんでした。

横岳を過ぎる頃には小雨もパラつく天候になり赤岳は完全に雲の中に隠れてしまいました。地蔵の頭が最後の離脱ポイント、二人との速力差もあり余裕はありますが天候がより悪化すると面倒なのでエスケープです。二人は赤岳をこなして行者小屋で再合流、山頂の展望は無かったものの雨に降られることはなかったようです。7月に続いてまたも赤岳はお預けです。焦るものでもないのでまた再訪しましょう。

ところでその間、自分はニューギアの撮影をしていました。元々自社開発のバックパックの実地テストがきっかけで始まったカンパニーハイクですが、そちらは現状凍結状態、容量にも手狭さを感じていたので”Gregory PARAGON48”を導入してみました。これまで35L強の容量にU.L.のニュアンスを意識したギアの構成が自分の主体だったので、10L強ストレージに自由が効く中型クラスのバッグに置き換えるのは大きな変化です。ストレージの余裕は外付けのカメラを危険な箇所で躊躇せずしまう余地を残すのに必要不可欠で、まさに稜線歩きのタイミングで活躍しました。またバックの仕様上、積載の仕方も大きく変わったので付随して変更した箇所も多いです。飲み水の供給をハイドレーションに切り替えたのは特に大きい要素です。今回はチュートリアル的に全般を掴めたので、積載やフィッティング、運用を煮詰めるべくガンガン使っていきたいですね。下ろし立てでレインカバーまで活躍するのは望んでいなかったのですが…

行者小屋での休憩中にこの日一番の大雨に遭い、流石に観念し雨具をフル装備して再出発です。ところが赤岳鉱泉までのほんの時間で小降りに、そこからもほぼ降られることはなく途中からは晴れ間が覗くほどでした。山の天気は変わりやすい、とはまさにですね。その後はサクサク歩いて赤岳山荘まで無事に下山しました。

二度目の赤岳断念はあったものの、これまであまり馴染みのなかった八ヶ岳にフォーカスして歩けたのは良い経験になりました。ただ、幼少に父親に連れられて本沢温泉まで歩いたのが初めてのテン泊登山だったはずなので実は原点の山域でもあります。当時は本沢温泉から夏沢峠へ上がるのを断念していたらしく、ルートをトレースして薄ら記憶に残る苦労を辿ってみたりしたいですね。そして今なら峠は越えたいものです。

ということで八ヶ岳の振り返りでした〜 この記事を書いてる時点でこの山行から早2週間、そして翌週にソロで歩いた石尾根のことも書きたいのにあっという間に1週間経っており渋滞気味、更に来週には北岳行きも控えており、そちらの振り返りは薄ら記憶で店長氏にバトンを託したような気がしないでもないですが…とにかく盛り沢山な月なので取り溢さずブログに残していきたいところです。